ビキニcomブッダ@ブラジル

                                          BRASIL連邦共和国 Rio Grande do Norte州の海辺にて                                                  ビキニで暮らす仏教徒の『ゑん』な日々♪

忘れるな。  

『三陸海岸大津波』、という本を読んだ。
photo[1]

この吉村昭氏の著書、以前『破獄』というのを読んで、たいそう面白かったのだ。
脱獄の常習犯である主人公と、それを防ごうとする刑務官たちとの闘いを描いた犯罪小説であり、
この常習犯がまたかっこいいのだ。
吉村氏は記録文学の名手である。

『三陸海岸大津波』は
明治29年の大津波、昭和8年の大津波の
三陸海岸各地の大津波を受けての被害状況、人々の行動を克明に記録している。

三陸沖はリアス式海岸というて、でこぼこの海岸線が特徴の美しい地形なのだが

img_994962_41830053_2[1]


この地形がでかい津波をぐんぐん川を伝って沖にのぼらせることを可能にしておるのだ。

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集落すべての家屋が流され全滅した村もある。
津波の高さは50メートルともいわれておる。
地上7メートルの木の枝に赤ん坊がひっかかった記録もある。


おどろくべきは、明治29年の大津波の際に被災し、家を流されたかたがたが
海岸をはなれ新たに高台に家を建てたというのに
年月が経過すると
「やはり海岸そばじゃないと不便だ」ということで、海岸にほど近い土地に
家をふたたび建てたことだ。
そして再び、昭和8年に被災されたかたがたもおる。

明治28年の教訓が生かされてない。
なぜか。

オレが思うに、漁業をなりわいとしているかたがたにとっては
危険がふりかかってくる可能性があろうとも、
生活に密着した海岸から離れるわけにはいかんのだ。


いま日本では、
数々の地方自治体が、福島のひとびとにむけて
避難してくるように手をさしのべている。
だがしかし、東北地方太平洋沖地震で被災されたひとびとも
自分の生まれた土地、そこで生計をたてているのあればなおさら
なかなか転地はできないのではなかろうか。

土地と人とは、切ることのできない縁がある。
避難民として福島の人を受け入れるだけでなく
被災したかたがたが、そのまま福島にとどまる方法がないものか、
それを含めて考えることが、思いやりのひとつであろう。


天災は忘れたころにやってくる。

過去に2度も大津波に襲われた場所に
原子力発電所を建てたのは
天災をうっかり忘れた人間だ

  ということこそ、忘れてはならないこと。


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コメント

忘れない

2011年5月に移住してきた私は静岡県浜松市遠州浜という海の側に住んでいました。
そこは東海地震が来た際には10m級の津波が来ると言われている場所だったんだけど、津波なんて見た事の無かった私はたいして気にもせずに住んでいました。

東日本大震災が起きたとき2人の子供は幼稚園とベビーシッターさんにそれぞれ預けて私は仕事をしていて。
とても長い時間揺れて怖くって、でも驚いたのはそこにいた誰一人と逃げようとしてなかった事で。
事務所内には50人くらいの人がいたにもかかわらず驚いているだけ。
職場も海のそばだった為『津波警報がでているから外にはでるな』の一言。
その日は16時に早退して子供達の健康診断に行く予定だったので早めに子供達のお迎えに行けたんだけど、車に乗って地震情報見てやっとで恐ろしさに気付いた。
帰宅してからもテレビでは恐ろしい津波の映像が流れていて。体感できる程の強い余震も何度かあったし。
夜も眠るのが怖かった。

それでも朝が来たら子供達を預けて仕事に行かなければいけない事に恐怖を覚え。
地震が起きた際に子供達と離れていたらと思うと、怖くて仕事も手につかない。
それから数日間は夫と話し合いを続け旦那の故郷であるブラジルに移住する事にしました。

子供達に地震や津波による恐怖を味あわせたくない。
その一心での移住決意でした。

まぁ、一度もブラジルに来た事の無い私は今度は移住してから治安の悪さに驚いたんですけど。苦笑
でも、今の所後悔はしてません。
子供達には国籍が2つあるんだから、将来自分の住みたい場所を本人達に決めさせられる様に両方の言葉を教えて行く予定です。

URL | macedinha #-
2013/03/11 00:04 | edit

こんにちは!

ゆきゑさん、また面白そうな本を教えてくれてありがとうございます!
最近はブラジル関連の本やブラジルを舞台にした小説しか読んでいないので、それ以外で読んでみたい本のリストは溜まっていくばかりですが今日教えていただいた本もリストに加えようと思います。
『三陸海岸大津波』もそうですが、『破獄』にも興味を持ちました。
吉村昭とはまるで作風は違いますが、僕が〝津波〟で思い出す小説は池上永一の『風車祭り』ですね。
確かゆきゑさんも読んだという。

〝311〟が近づくにつれて日本ではそれ関連の報道番組などを放映してますが、しばらくしたらまた被災者やそれに携わっている人たち以外は話題にも上がらないでしょうね。
まるで二年間遊んでいたように進まない復興。
〝国〟を悪く言うことは簡単ですが、被災地の復興や脱 原発に携わらず、何の行動もしていない僕に発言権はありません。
結局、僕を含めた多くの日本人が自分が関わらない限り他者の為にそうそう動くことのできない人種なんですね。
これって実は凄く悲しいことじゃないですか?

URL | nipul #Ya9ewGVs
2013/03/11 02:58 | edit

MACEDINHAちゃんへ

東日本大震災の2ヵ月後に、ブラジルに引き上げてきた知り合いがおるんよ。
彼女は静岡県で、出稼ぎにきてるブラジル人の子息のための教師を静岡県でやっていた。
彼女は震災が起こった瞬間に、
その揺れに激しい恐怖を感じて、生徒である子どもたちを守るのに必死やったけど
やはりこわくて子どもたちを置いて逃げ出しそうになった、と話してくれたよ。
MACEDINHAちゃんも、みずからの体でこの地震の恐怖を味わったひとりやね。
そして移住してきて本当によかったね。
我が社には人材斡旋の部署もあるのだけれど、
震災後にも出稼ぎに行きたがる人の数はそんなに減ってない。
おそろしいことだ。

URL | 菌玉ゆきゑ #-
2013/03/12 00:32 | edit

NIPULさんへ

『破獄』はとくにお勧めばい。
人物が本当に魅力的に書かれとるうえ、すっと感情移入させてくれる書き手さんだ。
池上永一さんはオレも大好き。カジマヤー、本当に面白いね。
カジマヤーの登場人物でいちばん好きなのは、6本足の豚・ギーギーばい。
NIPULさん、自分に厳しいね。
『何の行動もしていない僕に発言権はありません。』かあ・・・
行動をするには、まず発想が生まれてからしか体は動かないけん
なんでも思いが生まれた時点で、行動の一歩だ。
人間とは他者の為にそうそう動くことのできない人種、っちゅうnipulさんの揶揄で
またまた思い出したダライ・ラマ法王の言葉を。


 自分のことしか考えない人は、苦しみのうちに人生を終えます。
 他人の面倒ばかりみる人は、考えなくても自分の面倒もみています。

これ、先日、
「なんとか真の芯が変わってくれんかな」と大切に思ってる友人にむけた言葉やけど
これが世の平和のかなめになれば、と強く思う。

URL | 菌玉ゆきゑ #-
2013/03/12 01:16 | edit

ゆきゑさん、こんばんは。
2年前の「東日本大震災」の時、たまたま一時帰国していた私は、この世のものと思えないテレビ映像に、動けなくなっていました。
北海道の実家では震度5でしたが、海沿いではなかったため、外に逃げることができました。
私も、津波が恐ろしいよ。。10年以上前に、「瀬棚」という小さい町が、一瞬にして消えたんだよ。海沿いに住むことが多かった子供時代から、地震と津波はセットで怯えていました。今まで、小さい津波は何度か経験してきたけれど、漁で生計立ててる友達の家の船が流されて、途方に暮れてた友達のお父さんを、思い出します。
でも、危険と解ってても、海で生計を立てている人たちにとっては、海は怖いけど、必要な場所。離れるわけには、いかないんだよね。。。

ゆきゑさん、「吉村 昭」小説のファンとは!!
実は、私もなのです。。。「破獄」は、網走に住んでた私にとって、特別面白い! 先日も「仮釈放」読んだばかりです♪ 家に‘吉村文庫‘できてるよ!

URL | Miki #-
2013/03/12 08:43 | edit

Mikiちゃんへ

わー。Mikiちゃんもそんなに近くで体験したのか!
津波というものを想像でしか知らんやったオレは
この本を読んで「なんておそろしい自然現象なんだ」と鳥肌をたてっぱなしでぞっとした。
津波がきて一旦ひいたあとに海面が丸見えになる、とか
のっこのっことやってきた、とか、
体験者がみずからの言葉で語っている津波は本当に恐ろしかった。
Mikiちゃんの友だちんち、漁船が流されただなんて、
目の前まっくらになったろうね。
はたから見れば「漁船を捨ててよその土地に逃げろ」と軽く思うのだけど
そこで生計をたて生きてる人にとって不可能なことは多くある。
あ、吉村昭図書館の館長さま、
貸し出しは、もっ、もちろん無料ざましょ?
来館してもよか? 
それともいつかどこかに館長みずからが本棚担いで来てくれる~?
「仮釈放」読みた~い♪

URL | 菌玉ゆきゑ #-
2013/03/13 00:02 | edit

何故か母に頼んだ本が一冊も入っておらず、母が読み終えたで
あろう本ばかりを送ってきた時の物でしたが、コレ読んだ時には
やっぱり思いました…何故、学ばぬのか…と…

でも、学んでない訳でも、忘れた訳でもなくて、同じ場所にまた
住む、建てる意味がきっとあるんですよね…
そして今回の完全復興前に是非、政府/復興関係者にコチラの書籍を
お読み頂きたくも思いますが…

URL | こゆき #-
2013/03/15 21:18 | edit

こゆきへ

こゆきのお母様がきれいな字で書かれていた本の感想についてのメモごと
ずっしりと重みのあるいい本やった。
人間て、忘れやすいからこそ生きていけると思うんよ。
数々の悲しみや怒りを忘れることができないなら
とっくにすべての人間は精神が破綻して生きていけんごとなるやろう。
やけん人間の機能として、『忘れていいよ』という箇所は存在するはず。
しかし、『決して忘れてならん箇所』も確実に存在する。
その、忘れてならんことからどんどん忘れてしもうて
忘れてもいいようなことほど、ずっと根にもって覚えておる。
人間はおろかだ、っちゅうことも肝に銘じとかなならんね。

URL | 菌玉ゆきゑ #-
2013/03/16 00:49 | edit

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